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開業、そして自然栽培との出会い
この農園は私が2011年に脱サラして、神奈川県横浜市から縁もゆかりも無い山梨県北杜市に家族みんなで移住して始めた農園です。
農園を始める1年前に、「有機農業」を営む農家さんの元で農業研修を受けましたが、畑に有機肥料として牛や鶏の糞を入れたり、石灰などの資材を散布する農法が好きになれず、自分らしい農法を模索していました。
研修が終了していよいよ農園を開業した年に、色々と面倒を見てくれていた先輩農家さんから、「面白い農法の勉強会があるから参加してみないか?」と誘ってもらい、そこで出会ったのが「自然栽培」でした。
自然栽培?
開業当初は動物の糞を土にした有機肥料を畑に入れる気にどうしてもなれなかったので、米ぬかなどの植物性のものを発酵させて堆肥にしたものを使おうかと考えていました。
ですが、自然栽培の勉強会に出てその考えも吹き飛びました。
肥料も農薬も入れずに野菜や米が育つんだ!! !!
その衝撃は今でも忘れられません。
そして、「自分が探し求めていた農法はこれだ!」と直感しました。
試行錯誤の日々
自然栽培という言葉を提唱し有名にしたのは、あの絶対に不可能と言われたりんごの無農薬栽培を初めて成功させた、奇跡のりんご農家の木村秋則さんです。

木村さんは常々「見える所だけ見てたのではダメなんだ、見えない世界をよく観なさい」と言って後進を指導されます。
最初は???なのですが、野菜の栽培に例えていうなら、普通の人は地上に見えている野菜の状態だけを見て、やれ肥料だ、やれ農薬だと言って対処するが、それは対処療法に過ぎないということです。
そうでは無くて観るべきは、根の様子、土の中の状態(地温、湿気、地中の空気や水の流れ)などの目には見えない世界であり、そこに気付いて対処し、作物が気持ちよく育つ環境になるように人間がお手伝いをすることこそが、永続的に肥料も農薬も使わない「自然栽培」が成功する秘訣だったのです。(@_@)
そう、自然栽培というのは、その栽培方法を記したマニュアルがあるような農法ではなく、モノの見方や考え方だったのです。(哲学ですね~)
それに気付いてからは正に試行錯誤の日々でした。
毎日畑で作物を観察し、例えば良く育っている所とそうでない所を見比べて、地中の状態を想像し、何が問題かを考える。そして思いついた対処法をやってみる。何年もそうしていると、「なるほど雑草はこう処理すれば良いんだ」、「耕運のタイミングややり方はこれが良いんだ」みたいなことが少しずつ分かってきました。
つまり自然栽培とは、初めにモノの見方や考え方があり、技術は後から付いてくるものなのです。
いや~、深い(;^_^A
そして7年が経ち
現在2018年なので、2011年に開業して自然栽培を始めてから8年目のシーズンに入りました。
初めの5年間は、よく出来る野菜もあれば、全く育たない野菜もあり、収穫量も安定しませんでした。それでも出来た野菜はやっぱり美味しくて、どうしてもうちの農園の野菜が食べたいというお客様に支えられながら、その応援を励みに何とかやって来ました。
ところが6年目のシーズン辺りから状況が変わってきました。
野菜のがみんな元気にぐんぐん育つんです(⌒∇⌒)
畑が変わってきて野菜たちが喜んでいるのが分かりました。小松菜なんて初めは20cmぐらいの丈のモノしか採れなかったのですが、今では40cm以上に育ちます。それでもスジスジの固い野菜ではなく、柔らかくて美味しいんです。
作っている本人がビックリするほど、野菜がみんなピカピカしています。
旬の生産
自然栽培は野菜が気持ち良く育つ環境を整えて、元気に健康に育ってもらうことを目指します。そのためには野菜の旬を見極めて、それぞれの野菜に適した時期に栽培することがとても大切です。
だから病気にも強くて、瑞々しく、生命力にあふれていて、美味しいんです(⌒∇⌒)
種は固定種・在来種のみを使用
そして、種も「固定種・在来種」と言われる昔から命を繋がれてきた種しか使っていません。今、市場のほとんどを占めているF1種のように一斉に発芽したり、大きさが揃ったり、耐病性を持っていたりという利便性はありませんが、昔から大事に育てられて大切に守られてきた種から作った野菜は、それぞれ個性的でやっぱり美味しいんです。
安全で、地球にも野菜しい農法
そして勿論、肥料も農薬も使わずに育てますので、多少の虫食いは有りますが、安心して食べられる安全な野菜です。また畑に残留した肥料や農薬が地下水を汚染したり、それが川や海を汚染することもないので、とっても地球にやさしい農法です。
私が「これだ!」と直感した自然栽培はそんな農法でした!
そうして育てた自慢の野菜たちを、一人でも多くの人に知ってもらい、是非一度味わってもらいたい!
今はそんな思いで日々農業に励むと共に、野菜ソムリエの知識と、かつてITエンジニアだった頃の経験を生かして各種メディアから情報発信を行っています。
皆様の応援をよろしくお願いします。
ほのぼの農園ナチュラルハート代表
ジュニア野菜ソムリエ
自然栽培農家
佐藤 栄一